公益財団法人三菱UFJ信託奨学財団

奥田 翔子

Scholarship 2008年版 第19号

 

この絵は、当時早稲田大学政治経済学部4年 奥田翔子さんに描いていただきました。

以下はこの絵とともに寄せられた奥田さんの言葉です。

 

 

「昨今、連日のように無差別殺人、親殺し、子殺しなど、殺伐とした事件が報 道されています。また、自ら死を選ぶ人々が増加しているという現実にも心が痛みます。仕事に、生活に追われてあっという間に過ぎる日々。私たちは毎日何かに追い立てられてあくせくと日々を過ごしています。これは大人ばかりではありません。子どもの世界もまた同様でしょう。もっとゆとりを持って日常を過ごせないものでしょうか。 この魚も、いつ、より大きく強い魚に食べられてしまうかもしれません。でも、海藻の間に身を横たえて、しばし安穏で静寂の世界に身を委ねています。私たちも、時には立ち止まり、自分を見つめ、ゆっくりと周りを見渡し、考える時間を持つことも大切なのではないでしょうか。人々がより平和な心を持てることを願い、この絵を描きました。」
(銅版画(エッチング)にphotoshopで彩色)
(平成20年10月)