公益財団法人三菱UFJ信託奨学財団

ごあいさつ

ごあいさつ

理事長 上原 治也

rijicho3.jpg    三菱UFJ信託奨学財団*1)は、昭和28年(1953年)11月に当時の三菱信託銀行*2)の創立25周年を記念して、同社から寄附金1千万円の拠出を受け設立されました。平成22年(2010年)にはおかげさまで設立57年を迎えることになります。このたび、平成22年10月に内閣総理大臣より公益 認定を頂き、同11月1日付にて「公益財団法人 三菱UFJ信託奨学財団」となりました。
今まで以上に内外の有為の若者への支援を中心とした事業を推進し産業の発展と海外との経済交流の活性に資することを期するものです。

   現在財団の財産総額は約100億円となり、これまで国の内外で5,290人を超える学生に対し、総額約45億円を支給してまいりました。このうち留学生は31ヵ国559人にのぼります。既に4,940人以上の修了生が、産業や研究・教育の分野において世界各国の第一線で活躍しておられますが、中には大学卒業後数十年間実業界でご活躍された後、既にご勇退された方もおられます。*3)

   財団がこのように順調な発展をしてまいりましたのも、偏に、この財団を温かく見守り育み下さいました三菱UFJ信託銀行、関係各学校の皆さま、役員・評議員、選考委員ならびに関係各位のご支援ご協力の賜物と茲に厚くお礼申し上げます。

   戦後の経済復興の一翼を担っていた当時の三菱信託銀行*2)は、日本を再建するためには「産業の発展」と「海外との経済交流」が不可欠であり、その目的達成のためには「有能な人材の養成」と「学術の研究・発展」を図ることが急務と考え本財団を設立し、有為な人材に対する奨学金給費と研究助成を主な事業としてまいりました。
   その後、昭和58年に発表された国の政策「留学生受け入れ10万人計画」にも対応して海外からの私費留学生へも積極的に援助の手をさしのべてまいり、昭和62年には同社から追加の寄付金300百万円を受入れ、「特別留学生奨学制度」を新設するなど海外からの留学生に対する奨学金給付をも充実させてまいりました。
    この間、もう一つの主要事業であります研究助成事業につきましては、非常に多岐に亘った研究対象に助成を行ない、これまで43件220百万円を支給してまいりました。*4)従前は非公募でありましたが、平成22年度から公募により広く助成テーマを募る運営といたしております。

    設立以降の半世紀余りは、我国において社会的・経済的に変化が大きく、かつてない激動の時代でありました。高度成長期が終わり、いわゆるバブル経済後の不況期に入りますと、保護者のリストラや家業の不振など深刻な経済的理由から、優秀な資質・能力をもちながらも修学が困難な学生が増加してまいりました。財団も資産の運用が非常に困難な局面となり、事業の縮小までも覚悟せざるを得ない状況となりましたが、このような学生に対し少しでも経済的支えとなることを切望し、奨学生の採用を大きく減らすことなく事業活動を極力維持する一方、より堅実な資産運用に努めてまいりました。本財団の奨学金は返還を要しない資金ですので、アルバイトなどに割く時間を勉学に振り向けられるとして学生の応募は非常に多く、本財団に寄せられる期待はますます高まっております。

    一方、現役時代に交流会などで培った人脈を卒業後も維持拡大したいという強い希望を持つ修了生の有志により、平成8年(1996年)にOB・OG会が組成され、毎年会合が開かれるようになりました。そこに集まる人材は多種多様で、国籍、年齢、業種の差を超えて年々活発化してまいりましたが、平成23年 (2011年)には満15周年を迎えます。
   OB・OGの会合というと一般には同窓会を想起し、築き上げた昔の友情を育み維持する会のように思われがちですが、本財団のOB・OG会では、友情を維持するだけではなく、それぞれの立場で新しい出会いを活用しており、人脈を積極的に拡大し豊かにしております。OB・OG会は現役生も含めた交流会として開催地域も拡大し現在では全国各地で実に多くの方々が一堂に会することとなりました。このような人間関係は、今日の国際社会で現に活躍している方々は勿論、これからの新しい時代を担っていく修了生にとりましても、大変貴重な財産となっていくものと期待しております。
   学資金の給付終了後も着実に未来に向かって広がっていくこのような「人の輪」こそ、本財団のかけがえのない財産であるともいえましょう。

   将来を見通しますと、人材の育成と国際交流の発展は、社会の永続的課題であります。本財団といたしましては、公益財団法人として課せられた使命をしっかりと自覚し、その改善・充実に努めるとともに、皆様のご期待に応えられますよう最善を尽くす所存であります。なにとぞ本財団の事業に対する関係各位の倍旧のご支援、ご指導を賜わりますようお願い申し上げます。
(平成22年11月吉日)
 
  • *1) 本財団は当初は「財団法人  山室記念会」として設立されましたが、平成元年(1989年)に  「財 団法人  三菱信託山室記念奨学財団」に改め、さらに、平成19年(2007年)からは「財団法人  三菱UFJ信託奨学財団」に改称しました。 そして当財団は平成22年10月20日付にて、内閣総理大臣より公益移行認定を受け11月1日付で「公益財団法人 三菱UFJ信託奨学財団」となりました。)
  • *2) 本財団への出捐者である  「三菱信託銀行」は、平成17年10月1日合併により  「三菱UFJ信託銀行」に名称変更されました。)
  • *3) 平成27年3月末には財産総額は117億円、採用奨学生数5902名、支給総額53.5億円、留学生40ヶ国661人になります。
  • *4) 平成27年3月末には48件、2.4億円になります。